光と影のはざまで

2020年4月。
6月公開予定だった『シン・エヴァンゲリオン劇場版』が、コロナのために延期となってしまいます。
映画が公開されないと音源が使えない――どころか、そもそも楽曲の版権はアニメ制作会社カラーにあり、JASRACに登録されない以上、たとえ映画が公開されても使えないのです。そのことを田中刑事さんが知ったのは振り付けが終わったあとでした。
「パリ」、この曲自体が、使えるのかすら不透明な状況になってしまいました。

マンガ業界の中では、アート寄りの老舗雑誌「季刊エス」と、スケート業界の中で、マンガ好きである田中さんと。
似ているようで異質同士の関係は、面白い融合になるのではないかと思い、また編集長がフィギュアスケートに興味を持っておられたことから、この企画全般は「季刊エス」にご協力いただくことになっていました。
そんななか、『エヴァンゲリオン』の、碇シンジ役の声優、緒方恵美さんと対談できそうだということが判明したのでした。
 

運命が動き始めるとき

2020年7月。
「季刊エス」は、CCC（TSUTAYAグループ）の傘下にある出版社、（当時は）復刊ドットコムの雑誌で、目黒駅の正面に立つ、最先端の巨大ビルの中に編集部があります。その一郭にある会議室をお借りして、2時間10分に及ぶ、ロング対談を行いました。
なぜ人は創作するのか――その秘密に迫る対談の内容は、以下の通り。
 

対談が終わった直後に、その場に立ち会われたカラーの広報担当の方に直接交渉し、楽曲使用の許可をいただきました。
そればかりか、その後、カラーよりご丁寧にも、楽曲を生音源から編集し、公式提供したいというお申し出までいただく、驚きの展開になっていくのでした。
 

つづく

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✓『田中刑事写真集』の舞台裏をのぞく ＜5＞　エヴァンゲリオンSP誕生秘話　3　（更新：2021年10月29日）

✓『田中刑事写真集』の舞台裏をのぞく ＜3＞　エヴァンゲリオンSP誕生秘話　1　（更新：2021年10月27日）

✓『田中刑事写真集』の舞台裏をのぞく ＜2＞　「ザ・アイス」振付練習取材リポート（更新：2021年10月19日）

✓『田中刑事写真集』の舞台裏をのぞく ＜1＞　写真の中の、田中刑事。（更新：2021年10月11日）

✓『田中刑事写真集』田中刑事 感想コメント「自分の写真を見るのが苦手な僕が、写真集を出したわけ」（インタビュー：2021年7月9日）

✓『エヴァンゲリオン』 緒方恵美×田中刑事 スペシャル対談　（インタビュー：2020年7月11日）
 

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