対決
VOL.09
きっともう業界が決めているであろう
2015年春夏の流行色と、流行のファッション
(投稿者:東京都・キルコギア)
──今回のお題は「きっともう業界が決めているであろう2015年春夏の流行色と、流行のファッション」でしたが、みなさんいかがでしたか?
寺田 |
ケイ子のこれは凄いね。もう……ファッションだわ! |
五月女 |
今回は娘が可愛いって言ってくれたので、それで充分です。 |
寺田 |
そして、これはANNA SUIを描いた人の絵ですよ! |
五月女 |
あの有名な! |
寺田 |
いや〜、ファッションだわ! |
五月女 |
ファッションだね。ファッションおっぱいだもんね。 |
小岐須 |
ファッションおっぱいってなんだよ(笑)。 |
五月女 |
克也さんのおっぱいは、ファッションじゃないね。 |
寺田 |
うん、ただのおっぱい。 |
|
「オレ色のエロ色に染める」だからさ。 |
五月女 |
もしかして私が下ネタでいくって言ったから、 |
|
みんな下ネタで描いてきてくれたの? |
寺田 |
ううん、関係ないよ。 |
|
オレが描きたかっただけだよ。 |
五月女 |
言っておきながら、 |
|
今回、エロくなくてゴメンなさい。 |
寺田 |
これは2015年をエロ色に染め上げたい男の子の絵なんですよ。 |
|
これは、彼の欲望ですよ。 |
五月女 |
頭の上にあるのは服ですか? |
寺田 |
妄想が具現化しちゃったんです。 |
小岐須 |
そういうことだったの? |
|
すげえ帽子だなと思ってた。 |
寺田 |
人から見ると帽子に見えてしまうくらい性欲が強い。 |
小岐須 |
これは何歳くらい? |
寺田 |
19歳ですね。 |
五月女 |
意外といってるね。 |
寺田 |
「2015年はオレ色のエロ色に染めて |
|
エロファッションだけになって欲しい!!!!」と |
|
脳内で叫ぶ童顔の19歳の少年ですね。 |
五月女 |
童顔なんだね。5、6歳かと思った。 |
──今回はスパッと「エロ色だな」と思ったんですか?
寺田 |
スパッとでもないですね。10分くらい悩みましたよ。 |
五月女 |
速いな!(笑) |
寺田 |
何色にしようかな、 |
|
現実には無い色のほうが面白いかな……と |
|
考えようとした時に、あ、そういえば今年はエロだったなと思って。 |
|
エロ色だから! エロイムエッサイム! |
小岐須 |
そっち?(笑) |
──でも、すごく可愛いですよね。
寺田 |
色がね。 |
五月女 |
カラフルですよね。 |
寺田 |
最近デジタル界で大流行りのバケツツールです! |
──妄想の女性はバケツツールで、男の子はタッチを付けた塗りですね。
寺田 |
少年はリアルだからね。妄想はフラットに。 |
五月女 |
エロ色って、具体的にこういう色ってことですか? |
寺田 |
具体的に「この色」ということじゃなくて、 |
|
彼の頭の中から出ている妄想の |
|
モヤモヤ全体がエロ色ってことですよ。 |
──エロ色だから、ちょっとピンクっぽいイメージなんでしょうか?
寺田 |
やっぱりね、肌色は大切なエロだからね。 |
|
そして肌色とピンク色はどうしたって |
|
親和性が高いから、必然的にピンク色はエロいんですよ。 |
|
もし、みんなが青い肌をしていたら、 |
|
青がエロい色になると思います。 |
|
『アバター』の世界とかね。 |
|
そこは絶対に本能的に刷り込まれていて、 |
|
「これは性欲をぶつけていい相手だ!」という色は |
|
一瞬にしてわかるわけですよ。 |
|
「肌色ってことは脱いでるし!」みたいなね。 |
五月女 |
あははははは。 |
小岐須 |
この少年は童貞なんすか? |
寺田 |
それは知らない。 |
|
オレはたまたま見かけたのを描いてるだけだから。 |
|
彼がどこに住んでるかも知らないよ。 |
小岐須 |
うそだ~! |
|
多摩川じゃないんすか(笑)。 |
寺田 |
まあ、多摩川線で見かけたんだけどね。 |
|
雨の日に、にこたまの駅ビルにあるカレー屋でね。 |
|
住んでるかどうかは知らない。 |
小岐須 |
急に具体的になったな(笑)。 |
寺田 |
話にリアリティをね。 |
五月女 |
カレーを食べてたの? |
寺田 |
カレーを食べようとしていたと |
|
思われる時でしたね。 |
小岐須 |
後ろにある建物は? |
寺田 |
にこたまじゃないですかね。 |
|
フラットな塗りのところは彼の妄想だから、 |
|
彼の妄想世界は今こうなってる。 |
五月女 |
これ、どういう表情なんですか? |
寺田 |
「これはエロいわ~♡」って表情。 |
|
自分で思いついておきながらも。 |
五月女 |
ちょっと困っちゃってますよね。 |
小岐須 |
エロすぎて困ってるんだ(笑)。 |
寺田 |
もう自分でも制御しきれないから。 |
|
それが19歳じゃないですか。 |
五月女 |
19歳ってそうなの? |
寺田 |
16歳から19歳あたりは |
|
性の目覚めじゃないですか。 |
小岐須 |
ずいぶん遅いですね。 |
五月女 |
ね、なんとなくね。わかんないけど。 |
寺田 |
何が遅いんだよ!(怒) |
五月女 |
中学生とかじゃないんだね。 |
寺田 |
バカにすんなよ!(怒) |
五月女 |
ふふふ。あ、でもよく見たらヒゲも生えてるね。 |
|
結構、濃い顔してる。 |
小岐須 |
日本人? |
寺田 |
純粋な日本人だよ。まあ、みんなには |
|
「どっか別の血が入ってるんじゃないの? |
|
ポーランドとか」って言われるタイプ。 |
|
……という噂ですよ。 |
五月女 |
友達いるのかな。 |
寺田 |
ちゃんといるんじゃないかな。 |
|
彼のエロさに気づかないフリを |
|
してあげる優しい友達が。 |
五月女 |
この妄想は、常に外から見えてるんですか? |
寺田 |
オレも彼のことはよく知らないけど、 |
|
それくらい強い妄想なんですよ。 |
|
数学の話をしていても、ふわふわと頭の上に……。 |
小岐須 |
常にこの形で頭の上にあるんですか!? |
寺田 |
いや、いろんな形にウワァァァァーーッと動いてる。 |
|
でも友達は「言ったらマズいかな」と思って、 |
|
気づかないフリをしてくれてるんですよ。 |
|
彼は人前では絶対に性の話をしないので。 |
|
ここは触れちゃいけない領域なんだろうな、って。 |
小岐須 |
てゆうかさ、2015年の春夏の流行色と |
|
流行ファッションでしたよね? |
|
そんな話、ひとつもしてないよ(笑)。 |
寺田 |
いや、少年の中では、 |
|
「2015年は全員、オレのエロ色に染めてやる!」 |
|
と思ってるわけですから。 |
|
テーマにばっちり沿った絵ですよ! |
小岐須 |
あはははははははは! |
──この女性は彼の妄想上の女性ですか? モデルはいるんでしょうか?
寺田 |
妄想上だと思いますよ。 |
|
でも、たぶんAVの残滓は出てると思うけど。 |
五月女 |
これ、自分の頭から出てることには |
|
気づいてないんですか? |
寺田 |
気づいてないですね。 |
|
人には見えてないと思ってるんだよね。 |
五月女 |
そっかあ、大変だね。 |
|
お母さんとかにも見えちゃって(笑)。 |
寺田 |
もう大変。お母さんは大変。 |
五月女 |
心配だよねえ(笑)。 |
寺田 |
でもお父さんが同じような人だったんで、 |
|
「もう、しょうがないわね♡」っていう。 |
五月女 |
家系なんだ(笑)。 |
小岐須 |
「あなたも出ちゃったのね♡」って(笑)。 |
寺田 |
うん、それくらいの感じで |
|
気にしないようにしてる。遺伝だから。 |
|
「血筋ね。あら今日は一段とエロいわね~」と |
|
思いながら「カレー食べる?」 |
|
「うん」みたいな。 |
──周りの女の子たちはどうしてるんですか?
──勉強にならないでしょうね(笑)。
寺田 |
ならないならない。 |
五月女 |
付き合いづらいよねえ(笑)。 |
寺田 |
でも、意外と見てると楽しいかもしれない。 |
|
妄想が直接的じゃないから。色も綺麗だし。 |
|
「なんか、今日のは綺麗だね」って。 |
|
肝心なところは全然わからないから。 |
五月女 |
お花に隠れてるもんね。 |
|
そっか、彼はまだ知らないんだね。 |
|
だって、ここがお花ってことはさ、純粋だよね。 |
寺田 |
そうでしょう? |
|
ポコッポコッといろんな花が咲いて、 |
|
色もキラキラ変わっていく。 |
五月女 |
ピュアすぎるよ~(笑)。 |
小岐須 |
AVは観てるけど、 |
|
大事なところはわからないと(笑)。 |
寺田 |
たぶん、本人もあまり |
|
見ないようにしてるんだろうね。 |
五月女 |
理想が高そうだよね。 |
|
胸も大事なところが隠れてる。 |
寺田 |
特に経験が少ないと理想に |
|
走りがちですよね。 |
|
自分の見たいものしか見ないですから。 |
五月女 |
何が見たいんだろうね。 |
|
肝心なところは全部隠れてるよ(笑)。 |
寺田 |
いや、総体としてのエロを追求してるんですよ。 |
|
これを動画で見たら、ものすごい動いてますからね。 |
|
美しいわけですよ。花が生まれては消え、 |
|
形が変わり、色が変わり……。 |
五月女 |
なんか恐ろしいものが出てきたりしてね。 |
|
こわ〜い(笑)。 |
寺田 |
それは、まだ無い! |
五月女 |
あはは。この胸のパッチが取れる |
|
瞬間はあるんですか? |
寺田 |
いずれ取れる時がくるかもしれない。 |
|
それでショックを受けるかもしれないですけど、 |
|
その時にどんなエロ色になるのか……。 |
|
いささか不安ですね。 |
小岐須 |
あはははははははは! |
五月女 |
でもなんで敢えて隠したの? |
|
普段は、全然描くのに。 |
寺田 |
それは、「彼のエロ色」だからですよ。 |
|
そりゃ、オレは全部描くよ。 |
|
何を言ってるんですか! |
五月女 |
そっかそっか、描くよね(笑)。 |
小岐須 |
俺、すごい真面目に描いたのに。 |
|
この流れで話しづらいわ!(笑) |
寺田 |
何をいまさら。そういう連載じゃないか! |
|
まあ、私からは以上ですね。 |
五月女 |
でも話を聞いてみないとわかんないね。 |
|
何の絵かと思ったよ(笑)。 |
寺田 |
オマエもな! |
小岐須 |
俺なんかすごい普通の絵ですよ。 |
|
真面目に描いちゃったよ。 |
寺田 |
これは何色? |
小岐須 |
黄色と水色。 |
|
黄色と言っても菜の花色なんだけど。 |
──どうして、この色をチョイスしたんですか?
小岐須 |
俺が色弱だから判断できない色なんですよ、 |
|
その2色は。 |
五月女 |
笑いは?笑いは? |
寺田 |
笑うところどこ? |
小岐須 |
無いよ!(笑) |
寺田 |
まじかー。ANNA SUIめ! |
|
ANNA SUIモードだったんだろ! |
小岐須 |
いや、まあ、「今年は上半身裸でいきましょう」 |
|
という絵です。 |
五月女 |
トップレスだ! |
──小岐須さんもエロに混ざっていこうと?
小岐須 |
全然エロじゃないですよ! |
|
というよりも、ファッションなので |
|
エロく思わないですよ。 |
五月女 |
ショーで、よく、おっぱい出てるもんね。 |
|
克也さんのも隠しちゃいけなかったんだね。 |
小岐須 |
地球も温暖化の影響で |
|
今後どんどん暑くなっていくしさ。 |
──大きい帽子もポイントですよね。アジアでこういう感じの帽子って見かけますよね。
小岐須 |
今回は「でかい帽子で影を着る」という |
|
テーマだったんで。でも、これはアジアじゃなくて |
|
ヨーロッパです。 |
|
「バロック」をイメージしてるんで。 |
|
この真珠のネックレスもバロック真珠。 |
|
変形真珠なんですけど、これは「奇妙」とか |
|
「不規則」って意味もあるんです。 |
五月女 |
へえ~。エマニュエル夫人かと思った。 |
寺田 |
確かに~。 |
小岐須 |
エマニュエル夫人じゃない(笑)。 |
|
ちなみに、素材は全部綿です。 |
寺田 |
メーンッ(面)!帽子は? |
小岐須 |
帽子だけ麦わらを加工した素材ですね。 |
|
でかいけど軽いから被れる。 |
五月女 |
これで電車とか乗れないね。 |
小岐須 |
電車に乗らないような、 |
|
一部のハイソな方たちが着るんですよ……。 |
寺田 |
なんか嫌な感じだな~。 |
五月女 |
ほんとだよ~。 |
小岐須 |
いや(笑)、ファッションって、 |
|
オートクチュールのコレクションに出るような |
|
最先端のものは「これ、着れないだろう!」って |
|
感じなんで、一部の流行に敏感な |
|
お金を持ってる人たちだけがね……。 |
|
そこから一般層に広まる段階で、 |
|
日常でも着られるような |
|
デザインになるんで。 |
──なるほど。実は椅子の脚のデザインがかなり凝ってますよね。
五月女 |
ほんとだ~。細か~い。 |
寺田 |
ホントだ~。金持ちが騙されて |
|
買わされちゃったのかな? |
小岐須 |
ほら、ファッション誌とかでも、 |
|
こういう感じのあるでしょ(笑)。 |
寺田 |
で、バロック真珠ってなに? |
小岐須 |
変形した真珠です(笑)。 |
|
バロック時代の男たちって、 |
|
荒らくれてるんですよ、ヒゲもボーボーで。 |
|
その荒らくれた男たちがみんなバロック真珠の |
|
ピアスを付けていて、それが流行したんで、 |
|
バロック時代と呼ぶらしいですよ。 |
──その真珠はたまたま丸くないのができたから貴重ってことなんですか?
小岐須 |
養殖じゃないんですよ。 |
|
自然のなかから取ってくる。 |
五月女 |
そうなんだ。でも、ちゃんとオシャレだね。 |
|
いいおっぱいだし。 |
寺田 |
ねえ、いいおっぱいだよね。 |
|
ウエストも細いね。たぶん肋骨抜いてるね。 |
|
オギちゃんは何を描いてもオシャレに |
|
なってしまうね。オシャレ色だね! |
──黄色と青色の組み合わせって可愛いですよね。
寺田 |
TSUTAYAですね。 |
小岐須 |
TSUTAYAは紺だよ。 |
寺田 |
じゃあ、柏レイソルかな。 |
小岐須 |
それも、ちょっと違うと思うけど(笑)。 |
|
ジュースのメローイエローですよ!! |
寺田 |
ちょっとオシャレ繋がりで聞くけど、 |
|
最近、ANNA SUIの新しいカタログの |
|
カバー絵を描いてたじゃない? |
|
どういうふうに注文がきたんですか? |
|
たまには真面目にイラストの話もね。 |
小岐須 |
今季のANNA SUIのテーマが |
|
"cosmic"だったんですよ。 |
寺田 |
コズミくん? |
小岐須 |
いや、人の名前とかじゃなくて(笑)。 |
|
だから宇宙っぽい感じで、という |
|
注文だけあって、あとは自由に。 |
寺田 |
信頼だね。ANNA SUIは何年目? |
小岐須 |
18年目。 |
五月女 |
えーっ(驚)! |
寺田 |
長ーいっ! |
──普段のANNA SUIの仕事って、最初にラフは出すんですか?
小岐須 |
いや、全部一発。 |
寺田 |
すごいねー。これで、連絡なしに |
|
来年から五月女がANNA SUIの |
|
仕事やってたら面白いね。 |
五月女 |
やりたい(笑)。 |
小岐須 |
まあ、俺だけじゃなくて、いろんな |
|
イラストレーターがやってますよ、 |
|
俺が長いってだけで。 |
寺田 |
知ってますよ! |
──でもANNA SUIと小岐須さんのイメージは合ってますよね。
寺田 |
イメージが一緒になってる部分もあるよね。 |
|
菅原文太と、『トラック野郎』の |
|
星桃次郎みたいなもんだね! |
|
じゃあ、次いきますか。 |
五月女 |
今回、恥ずかしいなあ。 |
小岐須 |
なに?トメ、これはなに? |
五月女 |
なんだろうねえ(笑)。 |
──パッと見はすごくカッコいいんですけど、よくよく見ると……(笑)。
五月女 |
なんか説明するの恥ずかしい。 |
小岐須 |
俺も恥ずかしかったよ! |
寺田 |
オレも。 |
小岐須 |
克也さんは、恥ずかしくなかったでしょ! |
五月女 |
今回のお題はなんか恥ずかしかった、 |
|
ファッションって。 |
──でも、また新しい扉が開いた感じはしますよ。
寺田 |
これはチョコレートかい? |
五月女 |
ううん。これは、こういう色があるんですよ。 |
|
珍しい色で調べてたら |
|
「500色の色えんぴつ」というのが出てきて、 |
|
その色名が変で面白いんです。それで、 |
|
その中から色を選ぼうと思って |
|
(※「500色の色えんぴつ」FELISSIMO)。 |
寺田 |
これは何色? |
五月女 |
これは「傷心のティラミス」色。それと、 |
|
もうひとつが「ぬかるみのムツゴロウ」色(笑)。 |
|
この金色みたいなヤツ。その2色が |
|
流行るという想定で描きました。 |
寺田 |
なるほどなるほど。面白いね。 |
──じゃあ、ティラミスとムツゴロウから世界観を広げていったんですか?
五月女 |
色はそれに決めたんですけど、では、 |
|
どう見せようかと思った時に |
|
「殉職ファッション」でいこうと思って。 |
|
刑事ドラマで、死ぬ人は必ず白いタキシード |
|
着て来て、「あ、今日、この人死んじゃうんだな」って |
|
察してしまうアレです。街中のみんなが、 |
|
白い服を着て、この2色のカラーボールを |
|
ぶつけ合うのが、今年の流行り! |
小岐須 |
この一番左の人はなに? |
五月女 |
これはバカボンのパパ的な感じですね。ステテコ。 |
|
あとこっちの人は酔っぱらったサラリーマンです。 |
小岐須 |
すげえなあ(笑)。 |
五月女 |
他にも色々面白い名前の色があって |
|
「勝利に酔う土佐犬」色とかもありました。 |
寺田 |
それ、何色? |
五月女 |
ちょっとオレンジっぽい茶色。 |
|
でも「傷心のティラミス」色って、 |
|
実際につくってみたら茶色に |
|
紫色を足すんですよ。 |
|
確かに傷心っぽいかもと思ったりして。 |
小岐須 |
この色鉛筆、前に一度話題になったよね。 |
|
「八百屋さんの完熟トマト」色とか |
|
あった気がする。 |
五月女 |
「ムール貝の酒蒸し」色もあったかな。 |
|
「お母さんのつくったお汁粉」色とか(笑)。 |
──面白いですねえ。ちなみに、この並んでいる人たちの設定をうかがってもいいですか? バカボンのパパと酔っぱらい以外は。
五月女 |
ちょっと、なんでもない人も |
|
混ざってますけど(笑)、 |
|
真ん中の人は松田優作ですね。 |
寺田 |
なんじゃこりゃああああ!! |
五月女 |
殉職といえば、彼ですからね。 |
|
それでベネトンみたいなファッション |
|
写真風にしたかったので。 |
小岐須 |
ベネトンね(笑)。 |
五月女 |
着物の人は喪服的なイメージです。 |
小岐須 |
喪服だけど足下はヒールなんだ? |
五月女 |
そうそう。オシャレでしょう?(笑) |
寺田 |
モデルの威力で着こなす系だね。 |
五月女 |
敢えて外す的なオシャレ。 |
寺田 |
ミスマッチ的なね。 |
五月女 |
で、いつもより表情はかためにしました。 |
|
目が若干死んでるでしょう。 |
寺田 |
ケイ子、オシャレでいけるんじゃねーの! |
五月女 |
いけるかな? |
|
ファッション界に斬り込もうとしてみました(笑)。 |
|
アンチテーゼでもありますね。 |
|
「殉職」でオシャレになるという(笑)。 |
小岐須 |
オマエも結構だな(笑)。これはなに? |
五月女 |
これはちょっと時間がなくてね(笑)、 |
|
スルーしてください。 |
|
そこがオシャレになりきれないとこですね。 |
──(笑)実は全員女性ですよね。 バカボンのパパと酔っぱらい以外は?
五月女 |
そうそう。全員女性のモデル。 |
寺田 |
うん……まあでも、突っ込めそうで |
|
突っ込めない感じだね、今回は。 |
五月女 |
ちょっと完成度が高すぎちゃったかな? |
|
今回の私の絵、隙が無いよね。 |
|
だから出すのが恥ずかしかったんですよ。 |
寺田 |
突っ込まれてナンボなのにね。 |
──でも最初は「傷心のティラミス」色が血糊なのかと思いました。ちょっと演劇的ですよね。
五月女 |
そうだねえ、殉職だしねえ。 |
|
私、ファッションって考えた時に |
|
殉職ファッションしか思いつかなくて。 |
寺田 |
しょく(職/色)繋がりで? ホントに? |
小岐須 |
ダジャレ? |
五月女 |
それしか思いつかなかったから、 |
|
ちょっと寝かせたんですよ。それで提出が |
|
遅くなっちゃったんですけど。 |
|
『太陽にほえろ!』の松田優作が面白いのが、 |
|
殉職ファッションを不自然に見せないために、 |
|
殉職する一回前くらいから |
|
白いジーンズの上下になるんですって。 |
寺田 |
なんじゃこりゃああああ……っ。 |
小岐須 |
これは、最初にバックの色を塗って、 |
|
その上から人物を描いてるの? |
五月女 |
そうなんです。 |
──今回の色遣いは珍しくないですか?
五月女 |
そうですね。 |
寺田 |
シックだよね。ちょっと新機軸を |
|
打ち出してみようってヤツだな! |
五月女 |
テーマがオシャレだったからさ。 |
寺田 |
それは、この連載をやっている意義がありますね。 |
──五月女さんは、毎回、殻を破ろうとしている心意気を感じます。
五月女 |
そうですか? 3回に1回、自分の絵で |
|
休憩してって感じですけどね(笑)。 |
|
でも、すごく難しかったです、今回は。 |
|
色って言われると、普通の色じゃ普通だから、 |
|
新しい色でいかなきゃなって思うし。 |
|
エロ色とかね(笑)。 |
小岐須 |
俺はファッションのイメージが強くて、 |
|
そっちで考えていっちゃったなあ。 |
五月女 |
ファッションと言えば、 |
|
私、腹巻きを流行らせたいんですよね。 |
寺田 |
オレ、腹巻きしてるよ。ふんどしだからね。 |
|
ふんどしは腹巻きが必需品なんですよ、冬は! |
五月女 |
ほんとに、ふんどし? |
寺田 |
うん。 |
──私の祖父もふんどしでしたよ。
寺田 |
そうだろう? |
|
おじいちゃんって呼んでいいよ! |
──(笑)着けるのが難しそうですよね。
寺田 |
それは長い一枚布だからでしょ? |
|
オレが着けてるのは越中ふんどしで |
|
紐が付いてるからさ。 |
五月女 |
ふんどしかあ。Tバックみたいなヤツ? |
寺田 |
ううん、違うよ(と言って、ふんどしの |
|
構造を図示しながら、ふんどしの着け方を講釈する |
|
寺田さん。詳しくは下図参照。 |
|
五月女さんと小岐須さんからは、 |
|
度々歓声が漏れていました)。 |
寺田さんによる「ふんどし」図解
五月女 |
へ~。面白いね~。 |
寺田 |
だから、あんまりTバック感はないんですよ。 |
|
生地は木綿が一番いいですね。 |
|
以前、ふんどしをつくった時にパイル地を |
|
試してみたんですけど、 |
|
サンプルができてきたんで、 |
|
「じゃあ、テストしよう!」と装着してみたら… |
五月女 |
え? プロデュースしたの? |
寺田 |
個展の時につくったんですよ、タイアップで |
|
(※2013年の「寺田克也 ココ10年展」の企画で、 |
|
ウンナナクールとのコラボレーションのもと |
|
限定販売された)。 |
五月女 |
へえ~。 |
寺田 |
その時に、パイル地だと逆にいろんなものが |
|
居心地悪いと感じましたね。木綿だと、 |
|
ふんどしの中はフリーでありつつ、下から |
|
すくいあげられてキュッと締められるので、 |
|
装着感としては、ブリーフのホールド感と |
|
トランクスの開放感とが共存していて |
|
いいんですよ! |
五月女 |
へえ~(笑)。 |
小岐須 |
面白いですね~(笑)。 |
寺田 |
オススメですよ。でもネットで |
|
「ふんどし」と検索すると7割はゲイのサイトに |
|
行き着くんで気をつけてくださいね。 |
本日のラクガキ
寺田さんのラクガキ
顔のパーツが空中に浮き上った、シュールなラクガキ。見れば見るほど、不思議な絵です。
小岐須さんのラクガキ
寺田さんの話に触発されて、ふんどしロボットを。もう一点は、小岐須さんらしい可愛い女の子と、ファニーなネズミくん。
五月女さんのラクガキ
ふんどしトークに興味津々だった五月女さんは、ラクガキで素敵なふんどしのデザインを。欲しくなります!