フィギュアスケーター田中刑事が、2022年4月11日（月）午後1時に、自身のTwitterにて現役引退と、プロフィギュアスケーターへの転向を発表したのは記憶に新しい。ゲスト出演するアイスショー「プリンスアイスワールド横浜公演」が、プロとしての初ステージとなる。
昨春、「プリンスアイスワールド横浜公演」で披露され、大きな話題を呼んだ≪継承プロジェクト≫『ジュトゥヴ』に続き、元フィギュアスケーター町田樹が、新作『ショパンの夜に』を田中刑事にふたたび振り付ける。一人の男の絶望や挫折を映し出すために、あえて≪失敗≫の演技を組み込むという、自由な発想で挑む、意欲作だ。公演開幕を目前に控えるなか、現在の心境と意気込みが公開された。

 

斬新プログラムで挑む、衝撃のプロデビュー！　≪絶望≫を表現するために、あえて≪失敗≫の演技を。

 

―町田樹さんのコメントより(一部抜粋)―

田中刑事さんはスケーターとして非常に魅力があり、プロになってもさらに可能性があると確信し、（プロデュースを）手掛けることにいたしました。
今回手掛けた作品『ショパンの夜に』は、絶望と対峙しながら前に進む一人の男の物語です。目の前に何度も壁や逆境、絶望が来ても、決して意思が折れることなく進み続ける決意を、田中さんを通して表現しています。
この作品に織り込んだのはなんと“失敗する技術”です。フィギュアスケートの競技大会では、演技でミスをすると「失敗」としかみなされませんが、この作品で描く、何度も挫折をしながらも突き進む男を表現するために、私はあえて「失敗」を演技に盛り込みました。
常識や固定観念の枠を超えて自由に表現することで、競技とは違った、ショーでしか表現できないフィギュアスケートの魅力を感じていただきたいと思っています。ぜひ会場でご覧ください。

   

『ショパンの夜に』を演じる、田中刑事さんより。

 

今回プリンスアイスワールドで、プロ一作目としての素晴らしいスタート地点を用意していただいたからこそ、そこからぼくがどう進んでいくかがすごく大事だと思っています。
ぼくにとって人生の分岐点における大きく大事な第一歩です。 プロの世界でも活躍することができるスケーターとして、上質な作品をどれだけ残せるかが勝負だと思っています。しっかり準備していきたいと思います。
 

2022年4月29日、プリンスアイスワールド横浜にて、田中刑事さんの引退会見が行われました。会見全文はこちらになります。

 

 

プロフィール

田中刑事（たなか・けいじ）
プロフェッショナルフィギュアスケーター、並びにアシスタントコーチ。1994年11月22日生まれ。
2018年平昌オリンピック代表など、数々の輝かしい競技成績を収める。
2022年4月に現役選手引退を発表し、次世代のフィギュアスケーターを育成するためのアシスタントコーチ業のかたわら、プロスケーターとしての活動も開始した。今回の「プリンスアイスワールド2022 横浜公演」が、プロ転向後初の公演となる。
 

町田樹（まちだ・たつき）
スポーツ科学研究者・振付家・元フィギュアスケーター。1990年3月9日生まれ。
2014年の選手引退後は、プロフィギュアスケーターとして自作振付による作品をアイスショーで発表する。
2020年10月より國學院大學人間開発学部健康体育学科助教となり、教育、学究活動と並行して、新聞コラム執筆、アイスショー解説などの社会活動もおこなっている。
 

プリンスアイスワールドとは、日本トップクラスの技だけでなく、スケーター達が一体となる群舞や、
アクロバティックなパフォーマンスを繰り広げるエンターテインメントアイスショーです。