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季刊エスバックナンバー vol.4 gomziインタビュー

対談・インタビュー

画集発売記念!
gomziインタビュー(初出・2022年9月発売「季刊エス」Vol. 79)

待望の初画集『Ethereal gomzi画集』発売を記念して、2022年9月発売の季刊エス Vol. 79にて掲載された、gomziインタビュー記事を公開いたします。この機会にぜひご覧ください!


幼さを残したような少女たちの可憐な姿を美しいライティングで繊細に彩るgomzi。gomziの描く女の子たちは、ピュアで愛らしいだけではない。誰も想像していなかったような大胆で刺激的な姿を自分だけに特別に見せてくれる、小悪魔のような一面を持ち合わせているのだ。今号の「季刊エス」の表紙は、妖精のように愛らしく、無邪気で気まぐれな「妖精女子」をテーマにカプチーノのクリームを唇の上につけた姿が可愛い女の子のイラストを描き下ろしてくれた。清らかで美しいタッチで彩られた魅惑の女の子たちをたっぷりに掲載し、gomziの魅力を特集する。
翻訳=ミギョン

季刊エス79号 表紙・ピンナップ (2022年)
 

Q1 「季刊エス」の表紙イラストを描いてくださり、ありがとうございます。今回はgomziさんのマイキャラである、ユウナを描いてくださったと思います。改めて「季刊エス」の読者にユウナの性格や設定などを教えてください。また、ユウナの先輩であるリンについても教えてください。

 

A1 [ユウナについて]ユウナは短い前髪に長いウェーブがかった髪がかわいい女の子です。丸いおめめや豊かな表情が子犬のような子で、好きな人にだけ特別に愛嬌があるところを見せたり、自分の気持ちをストレートに表に出したり、拗ねた時はワガママになったりする性格も、実際の子犬と似ています。家族は両親と年の離れたお兄さんがいます。家族に溺愛されて育った、甘えん坊さんです。カッコいいお姉さんが欲しいと思っていたところ、自分が理想としていたお姉さん「リン」に出会います。それからリンと同じ学校に進学して、同じテニス部に入部します。だけど、運動は苦手なのでマネージャーをしています。

[リンについて]リンはユウナの高校の先輩です。ストレートな黒髪を持つ、クールビューティー系の美少女です。ユウナが中三のとき、道端でリンとすれ違い、彼女が着ていたブレザーの制服に一目惚れをして同じ学校に進学しました。ですが、実際に惚れたのは制服ではなく、リンのクールな姿でした。リンは知的でエリートのような外見をしていますが、頭より体を使うことが好きな、典型的なスポーツ女子です。また、女子テニス部のエースでもあります。自分に懐いているユウナのことは、可愛い後輩だと思っています。「違うタイプの二人の少女が出会い、先輩後輩・姉妹のような関係を結ぶ姿を見たい!」という考えから、ユウナとリンのイラストを描くようになりました。 
 

左:ユウナちゃん(2020年)
右:リンちゃん(2020年)

Q2 gomziさんは、「私」と女の子が出会った時を想像して、絵を描いていると言っていましたね。今回の表紙イラストは、ユウナと「私」のどのようなシーンを描いていますか? また、そのシーンを絵にする時に、構図や人物の仕草、表情などの演出面で考えたことを教えてください。
 

A2 今回の表紙のユウナは「私」とカフェでデートをしている姿です。カプチーノを飲み、唇の上に泡がついたユウナの顔を見て「私」が笑うと、からかわれたと思ったのか、拗ねた顔をしたユウナの表情がポイントです。子供扱いされたことに恥ずかしさを感じて、拗ねた様子を描きたいと思いました。今回のイラストはユウナとデートをする時に見てみたい姿を考えました。彼女にパフェを食べさせるシチュエーションや、カフェでデートするシチュエーションを思い浮かべました。ユウナとデートをした時に、表情の変化を見ることができたら「季刊エス」の読者の皆様に、よりユウナの性格やシチュエーションをリアルに伝えられるのではないかと思いました。担当さんとも相談した結果、唇の上に泡がついている姿、そして拗ねた顔の表情変化をすべて載せることができて、とても嬉しかったです!

入学式の日の彼女(2020年) 

Q3 表紙のユウナが身につけているお洋服やアクセサリーは、どのようなイメージで考えましたか? また、表紙イラストに限らずお洋服を考える際に好きなファッションデザインがあれば教えて下さい。

 

A3 ユウナが好きなファッションはガーリースタイルです。ユウナがデートのために、大きなリボンとフレッシュなイエローがポイントのお洋服を選ぶ姿を想像しながら描きました。普段描いている他のイラストも、オフショルダーのファッションが多いのですが、鎖骨と肩が見えることで女性らしさを感じるのと、イヤリングやネックレスなどのアクセサリーを描くのが好きなので、首と肩が露出したファッションをよく描いています。

 

森の旋律(2019年)

Q4 今回の表紙イラストは、向かって右上から光が差し込んできているのも印象的です。以前のインタビューでは、木漏れ日のような光が好きだとおっしゃられていましたが、暖かい日の光が好きな理由を教えてください。また、木漏れ日のような光を描くことで、イラスト全体の雰囲気や、女の子の見え方がどのような印象になると感じていますか?

 

A4 晴れの日に葉っぱの隙間から地面に落ちるキラキラとした太陽の光を眺めていると幸せを感じて、すべてのことが許せるようになります。光を描く時も感情を込めて描いています。明るい光を描くときは軽やかな気持ちで、曇っていたり逆光を描くときは、落ち着いた気持ちで描いています。イラストを見る方たちにも伝われば嬉しいです。

 

Q5 木漏れ日のような暖かな光を描く一方で、神秘的な光も描いているように感じています。「暁の招待」などの光はどのようなイメージでしょうか?

 

A5 「暁の招待」は以前描いていた「森の旋律」とつながる絵です。森に籠っていた少女が「わたし」と出会い、自由を得ることで海(外の世界)に出ていく姿を描きました。暁の青い光は神秘な雰囲気を表し、わずかに映るピンク色は夜明けと希望のイメージを込めています。
 

暁の招待(2021年) 

Q6 gomziさんの描く女の子は瞳が美しいです。瞳は特に彩度が高いのが印象的です。また、女の子が発光しているようなライティングから、透明感を感じます。女の子を可愛く見せるために、色や明暗のバランスで大切にしていることを教えてください。

 

A6 普段から落ち着いた色が好きなので、全体的にベースとしては落ち着いたカラーをつかっていて、印象を強めたい場所にだけポイントとして、彩度が高い色を使用しています。ポイントになる場所は色々とありますが、特に正面からこちらを見つめる人の瞳は、見る人の視線を惹きつけるような強い魅力があると考えているため、ポイントとして彩度の高い色で描くことが多くなりました。

 

Q7 今回、表紙ではカプチーノのクリームが口元に付いているのに気づいていないような、「天然な様子」を感じるユウナが描かれていますが、ピンナップでは、眉をわずかに寄せて、ぎゅっと目をつむり、頰を赤く染めている姿を見ることができます。gomziさんは今回の表紙イラストの他にも、これまで様々な「表情差分」を描いてきたと思います。表情差分があることで、より「私」とユウナの関係や物語を強く想像させられます。gomziさんが表情差分を描くようになったきっかけや理由を知りたいです。

 

A7 「表情差分」の絵は、実際に目の前に女の子がいて、こちらを見つめてくるように感じます。描き出したその瞬間に、自分も彼女たちと同じ場所にいたいと思ったのがきっかけで描くようになりました。色々な感情と生き生きとした様子が見ている人にも伝わればと願っています。なので、ハイライトの瞬間だけでなく、その前と後の状況も想像していただけたら嬉しいです。
 

今見たよね?(2020年) 

 Q8 以前のインタビューでは、「あげるよ!」のイラストについてgomziさんが考えているストーリーを聞かせていただき、ありがとうございました! 「あげるよ!」以外に物語を想像したイラストがあれば教えてください。また、そのストーリーも知りたいです。

 

A8 「チュウするかと思った」は、電車の中で人の波に押されて見つめ合うようになった瞬間にキスをするかと勘違いした女の子が、目をつむってキスを待っていたけれど何も起きないので、少しだけ目を開けて相手の様子をうかがっている姿を描きました。その後の物語は見てくださる方々が自由に想像してくださると嬉しいです。「今見たよね?」のイラストは朝、ユウナが着替えながらあくびをしている姿を見たときの反応を描いてみました。ユウナは恥ずかしくなると、怒るタイプです。また、この後すぐに気持ちを切り替え、楽しく外出の準備をしている様子を描いています。その時々で感じるままに感情を素直に、表に出す様子を見せたかったです。

チュウするかと思った(2020年)

Q9 「あげるよ!」の他にも「友達できたよ」という作品も気になります。スマホを使って女の子が自撮り写真を送っているのかな、という物語を想像しています。gomziさんはスマホを使って自分の写真を送って、相手にアプローチする女の子を描いていますが、スマホを使って自撮りを送る女の子のどういうところに可愛さを感じますか?
 

A9  スマホで自撮り写真をもらうと、その子の日常が共有されたように感じ、親近感が湧くと思います。「友達できたよ」は女の子が猫と一緒に撮った自撮り写真をLINEで送っているのですが、写真を受け取る〝自分〟が彼女にとって「特別な相手ではないか?」と思わせるような期待も込めています。

 

Q10 gomziさんが描く女の子たちは、こちらに微笑みかけてくれる女の子や、ミステリアスな表情の女の子が多いように思います。その表情を見て、その女の子の内面を想像したくなります。gomziさんが絵を描くときに、絵で描かれた女の子は見る人にとってどのような存在だと感じますか? また、gomziさんが描いていて好きな表情について教えてください。

 

A10 私の描く女の子たちは、親しい友達や恋人のような近しい存在の、見る人にときめきを与えられるような存在であったら嬉しいです。私はイラストから幸せな気持ちをもらいたくて笑顔をよく描いています。笑顔の女の子を見たときに「嬉しさ、幸せ、ときめき」のような幸福な気持ちを感じてもらえたら嬉しいです。


友達できたよ(2021年)


Q11 イラストの世界では、長らく「純粋=ピュア」な女の子が人気です。gomziさんの描く女の子は、特に「純粋=ピュア」という印象を受けます。gomziさんが「純粋=ピュア」な女の子を描くときに気を付けることはありますか?

 

A11 私は純粋な表情、生き生きとした瞳からピュアさを感じます。清純な印象になるように、白の衣装をよく描いてます。

 

Q12 今回の私たちの雑誌の特集は「妖精女子」です。妖精のように、愛らしくて、無邪気で、気まぐれな女の子を指します。gomziさんの描いた「あげるよ!」の女の子には、このような魅力を感じます。男の子がドキッとする行動をしてしまう女の子を、gomziさんはどう思いますか?

 

A12 天真爛漫な行動は、心が純粋で積極的なときに起こすイメージがあります。女の子が自分の感情に素直になる瞬間であったり、予想もしていなかったような驚きの行動をした時は、ドキドキが期待できると思います。

 

あげるよ!(2019年)


Q13 以前のインタビューでは、丸い目をした子犬みたいな女の子が好きだとおっしゃられていたと思います。現在は、好きな女の子像に変化はありましたか?

 

A13 今も丸いおめめの子犬のような女の子が好きです! 可愛い女の子が好きなのと同じくらい、大人のカッコいい女の子も好きなので色々なタイプの女の子を描くのに挑戦しております。最近は「お姉さん」のイメージで女の子をよく描いています。

 

Q14 gomziさんが絵を描きたくなる女の子と、見ていて可愛いと感じる女の子は一致していますか? それとも違いますか? 二次元、三次元問わず、gomziさんが好きだと感じる女の子のビジュアルや性格を知りたいです。また、合わせて「可愛い」と感じるポイントも教えてください。

 

A14 私は子供の頃から『カードキャプターさくら』の漫画が大好きで、私の好きな女の子像に大きな影響を与えました。かわいくてエネルギッシュなさくらと、落ち着いていて優しい知世の二人は、ビジュアルも性格もとても好きです。イラストにもある程度、影響を受けたと思います。特に知世のウェーブがかった長い髪は今でも、見るのも描くのも大好きな髪型です。

 

Q15 私はgomziさんの描く眉毛が大好きです。gomziさんの描く眉毛は、柔らかな線を重ねて引くことでリアルな人間の眉毛に近いように感じております。gomziさんは女の子を描くときに、顔や体などのパーツをどのくらいリアルにするのか、デフォルメするのかを考えていますか? また、gomziさんが「可愛い」と感じるバランスや、「このパーツをリアルにすることで実在感が出る」と感じたことはありますか?

 

A15 本物の眉の整った毛並みが繊細で綺麗だと感じ、イラストでもその美しさを表現しようといつも気をつけています。眉の他にも、まつ毛やおくれ毛など、細かいパーツからも現実で感じる繊細さを表現しようとこだわっています。

 

Q16 gomziさんが絵を描いていて、楽しいと感じるパーツや制作工程はありますか?

A16 女の子にヘアピン、イヤリングなどアクセサリーをつけてあげたり、人物の周りに花びらや蝶々が舞う様子を描き、絵を華やかに飾る工程が好きです。最後に絵に装飾をするという考えで描いています。

 

ひまわり(2017年)

Q17 gomziさんがpixivに投稿している初期の作品を拝見しました。gomziさんは昔から女の子と「花、植物、水」を組み合わせて絵を描いていたと思います。それらのモチーフが好きなのかな、と想像しております。「花、植物、水」のどういったところが描いていて楽しいと感じますか? また、女の子と組み合わせることによってどのような印象の作品になると感じますか?

 

A17 自然の持つ美しさが好きです。特に花の華麗さ、優雅さ、可愛さなど、多様な魅力に心を惹かれています。花の見た目や花言葉をモチーフにオリジナルの女の子をデザインしたり、描いた女の子の雰囲気に似合う花を作品に添えることでよりイラストを華やかにしています。

キャンディーください(2019年) 

Q18 gomziさんはいつ頃から絵を描き始めましたか? また、小さい頃どのような絵を描いていたのか知りたいです。

 

A18 小学生のころから少女漫画を読むのが好きでした。鉛筆をつかい、キャラクターを真似ながら描いていたのがきっかけで、絵に興味を持つようになりました。昔から可愛いものが好きで、オリジナルの女の子を描いていました。

 

Q19 gomziさんは、絵を描き始めた頃は鉛筆や水彩絵具などのアナログ画材を使って描いていましたか? それとも、最初からデジタルで絵を描いていましたか?

A19 絵に興味を持ってすぐにペンタブレットを使用しはじめたため、デジタルが一番慣れていますが、鉛筆の質感も好きなので、たまに趣味でアナログの絵を描きます。また、デジタルで絵を描くときも、線画は鉛筆のような質感のブラシが好きです。
 

同人誌『彼女と彼女の』収録作品(2020年)


Q20 gomziさんが好きなアニメや漫画、イラストレーターさんがいれば教えてください!

 

A20 やはり一番好きな作品は『カードキャプターさくら』です。ストーリーだけでなく、ファッション、演出、OST(※「Original Sound Track」の略名)など、すべての要素が美しく、自分に色々な刺激を与えてくれます。

 

Q21 gomziさんがイラストを描いている最中にしていることや、最近ハマっていることを教えてください。

 

A21 イラストを描いているときは、今までに見たことがあるアニメやドラマ、映画などの動画を流しておくと集中できます。最近は韓国女子アイドルのMVやダンス映像をよく見ています!

はなのささやき(2019年) 

Q22 最後に今後、絵の活動をするうえでやってみたいことなどがあれば教えてください。

 

A22 これからも花と蝶々、動物と一緒にいる少女たちを中心に、好きなコンセプトのイラストを楽しく描いていきます!


作家プロフィール

gomzi(ごんじ)
韓国在住のイラストレーター。透明感のあるピュアな人物像を得意とする作家。ひだまりのように暖かな光から幻想的な光まで様々にライティングを加えることによって、美しい作品の数々を紡ぎ出す。モチーフとしては花、蝶、動物を女の子と組み合わせて描くことが多い。その他、キャラクターデザイン、ゲームイラスト、MVイラスト、グッズイラストなどを多数手掛ける。
X:https://x.com/gcmzi
pixiv:https://www.pixiv.net/users/1023317
HP:https://gcmzi.tumblr.com/
 
◆gomzi初画集『Ethereal gomzi画集』5月22日発売!
書籍詳細:https://pie.co.jp/book/i/6141/