Next ILLUST Award 2025結果発表
金賞は日本から参加してくれたマルイさん。「お坊さんの除夜帰りを描いてみました。大手を振って寄り道してくれたらいいなって思ってます」という、仕事終わりの和やかな食事風景をエキゾチックな色づかいで魅せるドラマチックな作品です。
銀賞は中国「COMICUP」から応募の葳蕤饼八分熟さん。ダイナミックな雲と魔法陣に手を伸ばす姿が幻想的です。手前に脱ぎ置かれた赤い靴からも物語が膨らみます。
同じく銀賞には「Discord」から送ってくれたオーストラリアのGURANATさん。炎を纏う姿から目が離せなくなりました。「The Weight of Ambition(野心の重み)」というタイトルと“野心が激しく燃え上がり、やがて自分自身を飲み込みそうになる時の感覚を表現したかった”という作品に添えられたメッセージも印象深いものでした。
たくさんのご参加ありがとうございます!
審査員・個人賞
ゲスト審査員|村⽥蓮爾さん、⽶⼭舞さん、さくしゃ2さん3名のイラストレーターのほか、エス編集部やパイコミックアート編集部、Kinokuniya USA、Kinokuniya Asia-Pacifc、COMICUP、Marginalsとあわせ、「季刊エス」で毎号行っているイラスト審査会でも同時に審査を行いました。
ひせこ|Japan
村田蓮爾 賞
静謐なモチーフと逆光のダイナミックな入道雲の色彩の対比構図、よく練られた人物の配置やポーズなどによって画面に緊張感を与えています。何度も見たくなる絵ですね。(村田蓮爾)
quu|Japan
米山舞 賞
まず第一に色彩のコントロールが巧みな作品だなと感じました。低彩度で同じ色相の中にも鯉のぼりの色味がポイントとして効いているのにそこは影の中の色で、明るいのは雲に当たった光のみ、という色使いが非常に理性的。鯉のぼりの揺らいでいる面や動きも風の動きを感じさせる描き分けも凄い。構図においても鯉のぼりに3次元的な奥行きも与えつつ、地面にわずかな勾配があるのも絵にリズムを持たせていて、随所に技を感じます。感服です。自分がアルプスの近くの生まれなこともあり、温度や大気の澄み具合を絵から感じ、懐かしく感じました。デジタルイラストレーションにこの空気感を表現できていることが、シンプルにすごい事だなと感じました!(米山舞)
树屋酒店管理员Rt|People's Republic of China
さくしゃ2 賞
目を引く魅力に富みながらも、細部まで見させる力のある絵です。真ん中の主役と、その周辺に最も大きいコントラストと、多くの色数を使ってます。同系色、かつ強いデフォルメでありながら、明度彩度と粗密のバランスが絶妙なため、単調にならず、そして非常に鑑賞しやすい。イラストというジャンルの強みをとても活かした作品だと思います。しかし本当に可愛い。すごく可愛い……小さいのに働いてえらい。(さくしゃ2)
藤野星|Japan
村田蓮爾 賞
非常に情報量の多い絵ですが高い色彩感覚でよく纏まっています。それぞれのデザインや配置、立体感や浮遊感も文句なしです。3人の人物の表情に物語性も感じるし動きを感じる良い絵です。(村田蓮爾)
さくしゃ2 賞
サムネイルの時点で絵の引きが強いだけでなく、画像を拡大して見ても隙のない描き込み量! 圧巻です! 画力は言わずもがな、画面全体の粗密が美しすぎます。描き込みが多く暗い色の鯉と、開けた青空の明るい水色のコントラストがとても効いており、小物や背景の描き込み量に対して、非常に見やすい絵になっています。情報量が多いのに煩くない。足し算も引き算も上手い絵作りに脱帽です。(さくしゃ2)
Kinokuniya USA 賞
色彩の鮮やかさと構図の緻密さが際立つ作品で、描写の精緻さにおいても抜きんでています。紀伊國屋書店が重視する美的完成度と独自性が発揮され、観る者に前向きな力やワクワクをもたらす点は、挑戦を続ける私たちの姿勢やお客様に届けたい心象風景と響き合い、書店としても新たな刺激と感動を受ける力作です。(Kinokuniya USA)
かたお。|Japan
Kinokuniya Asia-Pacific 賞
本作品の「未知への好奇心」は、アジアで新しい文化を切り拓こうとする弊社の姿勢とどこか似ていて、ワクワクさせられました。望遠鏡を覗く少女とその横の少年の姿からは、「まだ見ぬ価値」を探し続けるクリエイターの純粋な情熱を感じます。クラシカルさとSFが混ざり合う独創的な世界観は、伝統を大切にしながらも新しく塗り替えられていく現代アジアの熱量と心地よく響き合い、私たちにそっと勇気を届けてくれました。(Kinokuniya Asia-Pacific)
鳥|Japan
Marginals 賞(※告知時のPROJECT AINS賞から名称が変わりました)
普段アニメを制作している立場から審査しました。アニメとイラストは似ているようで、実は大きく違う表現だと思います。イラストの良さをそのままアニメに移植するのは難しい。特に、イラストの「塗り」は再現がしにくい。一方、「線」のみで比較すると、イラストの妙味が抜け落ちる。この作品は、アニメ化したら面白い髪のテクスチャーのアイデアだと思いました。「線」でもあるし、「塗り」でもある、というところでしょうか。(Marginals)
俱野|People's Republic of China
COMICUP 賞
まるで幻境のように透き通る色彩や流れていく川のような奥行を感じる空間が印象的です。暖かな黄と青緑の光と影が織りなされ、泡と狐の要素が虚と実の対照をつき、日本庭園の静けさや幻しい雰囲気を見事に融合しています。癒しのパワーが溢れていた傑作です。(COMICUP)
薔薇缶|Japan
PIE 賞
見た瞬間に、なにか物語が始まりそうなワクワク感がありました。草原が太陽に照らされて眩しく光っている表現や、空中に浮かぶ水の魚の透明感が、ファンタジックな雰囲気を醸し出していてとても素敵です。手を繋いだ二人がどこへ行くのか、クジラを見に行くのかな、どんな世界を生きているんだろう……と、見る側の想像を掻き立てる、美しく楽しい作品だと思います。この素敵な光の描写を生かした風景をもっと見てみたいです。(PIE)
蒼川わか|Japan
エス編集部 賞
風景のかたちが変化していく様子を描いた作品。「風景の解像度」というタイトルで、「ドットやねじれを描き、記憶の曖昧さを表現しています」とのコメントの通り、トンネルのある道路が徐々に歪んで、溶けていくようになり、画面の下方では抽象的な線になっています。これが記憶を表現しているというテーマも面白いですが、このような絵に仕上げる表現力が圧巻。白地に美しい青が生きた配色に、オレンジの光というカラーリングも魅力的です。独自性と高い表現力があわさった傑作です。(エス編集部)

たくさんのご応募ありがとうございました。今後のコンテストもお楽しみに!
共催・協力・協賛
共催:パイ インターナショナル/エス編集部、COMICUP
協力:Kinokuniya USA、Kinokuniya Asia-Pacific
協賛:CLIP STUDIO PAINT、Marginals(発表時のPROJECT AINSから名称が変わりました)



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