The Making of 直感通信

季刊エス53号より、小田島等さん、長尾謙一郎さんによる連載「直感通信」が、めでたく1年ぶりに復活! 今号からは“あらゆるものが絵になる”というコンセプトで、キャンバスに絵具で描いたアナログの絵に限らず、様々な“絵”を、ふたりで描いていきます。
1年の間に気持ちも環境も、肉体的にも変化したというふたりは、特に最近、アートとテクノロジーの関係に興味があるとのこと。というわけで復活第一弾は、恵比寿にあるケイズデザインラボさん(http://www.ksdl.co.jp/)の3Dデジタルスタジオにて、ふたりのボディスキャンをしていただきました!
「アナログとデジタルを行き来する/融合させる」というケイズデザインラボさんの取り組みは、ふたりの標榜するコンセプトにもぴったり。
ここでは、誌面でお伝えできなかった当日のメイキング風景をお届けします。
①準備
今回は、それぞれ憧れの存在に変身してスキャンしてもらいたいということで、小田島さんはトランスジェンダー、長尾さんは空手家となってスキャンに臨むことに。まずは小田島さんのヘアメイクとスタイリングをZOOMさん(http://jyosou-zoom.com/)にてお願いします。

小「こっちにもタイプがありますから…」

小「この写真の感じ、ほとんど長尾漫画なんですけど…」
②ボディスキャン
準備ができたらケイズデザインラボさんのスタジオに移動します。事前にふたりの要望をもとに、編集部とケイズデザインラボさんとで2回の打合せを経たのち、実際にボディスキャンを始める前に、さらに細かく打合せを行ったら、SUPER SCAN STUDIOにて、いよいよボディスキャンをスタート! 4台のツインカメラ搭載のスキャナにて四方向からスキャンします。その真ん中で動かないよう、ポーズを取ります。およそ6秒で3Dスキャンデータが取得できます。



③顔面スキャン
OPEN CONFERENCE ROOMに移動して、さらに顔だけ「EinScan PRO」というハンディスキャナでスキャンします。これはポータブルスキャンと高精度スキャンのニーズを両立する多機能ハンドヘルド3Dスキャナ。先程のボディスキャンデータとこのデータをもとに、造形師がデータをモデリングしていきます。
スキャンしたデータはリアルタイムでパソコンに映し出されていきます。質感を変えたり、回転させて顔の裏側を見ることもできます。


④写真撮影
3Dスキャナには黒いものや透過してしまう素材は映りません。そこで欠けてしまったディテールは造形師がモデリングの際に細かく調整をします。そのための資料として、全身写真、頭からつま先までの接写など、念入りに写真撮影を行います。
⑤モデリング体験
取得したスキャンデータは、「Freeform」という感触モデリングツールを使い、造形師の手によって細かく調整されていきます。ペンルーツの設定によって感触やペン先の形が変わり、まるで粘土をいじっているかのような、アナログ感の強い工程です。


おわりに
小田島さん、長尾さんのボディスキャン体験が、どのような形で誌面に“絵”として結実したかは、ぜひ季刊エス53号でお確かめください! ふたりの対談もあわせて掲載しております。
なお、ケイズデザインラボさんとの企画は53号、54号の2号連続画企画です。今回はスキャンしたままの素の3Dデータがそもそも非常に面白いということで、素の状態に近いデータや、逆にローポリゴン化させたデータをつくっていただきました。
次回の季刊エス54号(6/15発売)では、いよいよフィギュアという造形物をつくっていただく予定です。そちらも、乞うご期待ください!
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