ペンタブレットdeアート投稿コンテスト・インタビュー【大山セキ】
ペンタブレットdeアート投稿コンテスト・歴代グランプリ受賞者インタビュー
大山セキさんは8回目のコンテストでグランプリを受賞されました。
応募作品は、宇宙服のヘルメットを被った人物を中心に、大きな鯨や歯車、星座が記された時計を幻想的に描いた作品。
存在感のあるモチーフに込められた作品のテーマや絵作りについてお話を伺いました。
大山セキ インタビュー
──ペンタブコンテストへお送りいただいた作品について。お送りいただいた作品のお気に入りポイントを教えてください!
大山 星座表とテクスチャです。鯨よりモチーフが細かく、とても描くのに時間がかかりましたが、描き込んでいくのはとても楽しかったです。テクスチャも、あまりごてごてし過ぎず、カチッと世界観にはまったと感じています。
タイトル『彼女の中の毒』。ひび割れた人形の見えそうで見えない表情と、生命感のある鯉や植物との対比が意味深。こちらは8月8日まで開催されていた「Vice展」(大阪・イロリムラ)で展示されていた1枚。
──コンテストに投稿された当時と現在の作品を振り返っていただき、変化されたことを伺いたいです。
大山 モチーフが動物主体より人主体になってきたかなと思います。あと、展示のテーマもあったからだと思いますが、顔を描くことも増えました。人の負の感情を顔を描かずに表現するという考えがあったので。
──そのような変化があったのですね。様々なモチーフが登場しますが、テーマが先に思いつくのか、描きたいモチーフを思いつくのか、どのように作品を考えていかれるのでしょうか。
大山 描きたいモチーフが先に思いつくことが多いです。グランプリ受賞作品は、鯨が描きたい、星座表も描きたい、じゃあ宇宙っぽい雰囲気にモチーフも固めていこう…といった感じで進めました。色合いはなるべくくすんだ色にして元気っぽさは前に出さない様にしています。
──好きなモチーフについて教えてください。
大山 よく描くモチーフは、金魚、花、蝶ですね。どれも儚い、弱いものというイメージがあるので、世界観に合うと思って描きます。鱗などの整列したものを描くのがすごく苦手で、魚よりもふさふさした毛並みのほ乳類のほうが描いてて楽しいです。
タイトル『人のため』 。般若の面をつけたセーラー服の少女の迫力と、繊細なハヤブサの羽根や桜の花との組み合わせが印象深い。
──描き込みが濃密ですが、1枚の作品はどのくらいの時間で制作されていますでしょうか?
大山 「ひとのため」(上図)は30×30cmのものですが、これで総計20時間近くかかったと思います。ハヤブサの描画で5時間ぐらいかかったような。
──最後に、これから描いてみたい絵の題材やモチーフ、またはお仕事や活動で取り組んでみたいことを教えてください。
大山 平面での作品作りばかりだったので、立体や雑貨作りにも力を入れていきたいです。あと、音楽が大好きなので、ミュージックビデオやCDの装丁等を手がけてみたいですね。
──お話くださりありがとうございます。立体や雑貨になることでさらに世界観が広がりそうです。これからも作品を楽しみにしております!
大山セキ(おおやま・せき)
コミティアやデザインフェスタ、アートダイブ等のアートイベント。他、関西を中心に展示会に参加している。
季刊エス52号にメイキング掲載。
今秋上演予定の演劇のフライヤーデザイン・イラストを担当予定。
HP:http://rem-illust.strikingly.com
Twitter:@bejiyaaaaan
作業環境
PC(OS):Macintosh OS X
描画ソフト:Photoshop CS6、Illustrator CS6
ペンタブレット:Cintiq 22HD(DTK-2200/K1)
©大山セキ