ペンタブコンテスト

  1. TOP
  2. スペシャル記事
  3. ペンタブコンテスト
  4. ペンタブレットdeアート投稿コンテスト・インタビュー【白咲まぐる】

ペンタブレットdeアート投稿コンテスト・インタビュー【白咲まぐる】

ペンタブコンテスト

ペンタブレットdeアート投稿コンテスト・歴代グランプリ受賞者インタビュー

16回目のコンテストでグランプリを受賞したのは「白咲まぐる」さん!
白咲まぐるさんへ、作品づくりのこだわりや描く際に大切にされていることをお聞きしました。
※季刊エス81号の記事を元したWEBインタビューです。公開まで時間がかかり大変失礼いたしました。

 

白咲まぐる インタビュー

 

第16回グランプリ受賞作品
落ち着いた色と流麗な髪のラインと装飾や壁画が溶け込む美しさに引き込まれます。


──「季刊エス」81号ではメイキングイラストを描き下ろしていただきました。どのような人物や構図をイメージして描き進めましたか?
白咲 「春」と「魔法使い」をテーマに制作しました。以前、同じく魔法使いがテーマのイラストを制作しており、今回はその兄弟作のようなものになります。なるべく柔らかい色を使用しながら、フリル、リボンを描きました。先が開いたタッセルは白い花をイメージしています。

──白咲まぐるさんが描く人物の、美しさのなかに憂いも感じられるところが魅力のひとつだと思っております。このような世界観やタッチで作品を描いてみたいと思われたきっかけを伺えますと幸いです。
白咲 人物の表情については明確な感情が読み取れないことを意識しています。世界観については、少し古めかしいというか、アンティーク調のものに惹かれるところがあるので、その影響は強いかと思います。どこか物語性があるというか、イラストを見た人が何か考えられるようなものを作りたいと思って描いているうちに、今のような作風になりました。

雑誌「季刊エス」81号に描き下ろしたメイキングイラスト。
大きなリボンやボタン、花をイメージしたタッセルの飾りがたくさんついた帽子のデザインが印象的な魔法使いを描いてくださいました!

 

白咲さんはアナログの線画(右図)とデジタルの彩色を組み合わせて仕上げています。
塗りと馴染む線に色を変えていたり、風合いのある下地を全体に敷くことで、アナログとデジタルを馴染ませているのが印象的です(左図)。
塗りの工程でもペンのタッチを活かしたエッチングのような質感表現を行っており、モチーフとも相まってクラシカルで高貴な雰囲気に満ちています。


──人物像や物語のイメージが膨らみます。次に白咲まぐるさんが作品のイメージを深めたり、創作意欲を高めたりするときに、見たり、聴いたり、行っていることを教えていただけますか?
白咲 やはり他の人が作る作品を目にすることは、イラストに限らず何でも刺激になります。作品だけでなく過程を見ることも好きなので、メイキング動画や記事などを見ると、自然と自分も筆が進みます。他には、本を読むことも好きなので、読んだ小説の世界観にそのまま引っ張られて絵を描いていることもあります。


──作イラストを作成するときに欠かさないこと、大切にしていることを教えてください。
白咲 自分の理想の世界を描くことです。毎回ひたすら描いては消しての繰り返しですが、少しずつ自分の理想に近づけていくのは本当に楽しいです。あと、実は私のイラストの中の人物は性別を決めないことがほとんどで、顔や体つきもなるべく中性的にしています。私の世界ではそれが重要なポイントではないからです。

――イ教えてくださりありがとうござます。これから描いてみたいモチーフや、やってみたいお仕事について教えてください。
白咲 もっと色の使い方が上手くなりたいと常々思っています。また、先述の通り本を読むことが好きなので、いつか小説の表紙のイラストを描いてみたいです。

──白咲さんが描く世界観や作品、活動を今後も楽しみにしています!


白咲まぐる(しろさき・まぐる)/イラストレーター。モチーフ同士のミステリアスな組み合わせや、絵と人物が溶け合うような構成など、イマジネーションが膨らむ作品を手掛ける。繊細に引かれた美しい線と目に飛びこむ配色にも引き込まれる。主に手がけた作品に、雪見ワンマンライブツアー「yukimi One-Man Tour”紫”」ビジュアル、Kanaria「百鬼祭」、香椎モイミ「侵食」、memex「原罪と踊る」、和ぬか「言霊」MVイラストなどがある。

ワコムオンラインセミナー【モチーフで描く世界観】白咲まぐる先生のイラスト講座【液タブ】 
・アーカイブ配信中!
https://www.youtube.com/live/JjQHD6YdN9A


X:@maguru_white

作業環境
・PC:iMac
・ペイントソフト:CLIP STUDIO PAINT PRO
・ペンタブレット:Wacom Cintiq Pro 24
・下描き:シャープペンシル
・線画:つけペン(丸ペン)、インク

©白咲まぐる

ワコムオンラインセミナーでライブドローイングした「鈴蘭」
流麗なラインのレースとビジュー、可憐な鈴蘭の花の組み合わせが美しいです。
遠くを見つめる目元や指先など丁寧に描かれた細部からイメージが膨らみます。