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武蔵野美術大学×高校生 classwork #01

対談・インタビュー
今月より「季刊エス」のWEBサイトにて、武蔵野美術大学の学生が、イラストや漫画を描く高校生を訪ねる不定期連載「武蔵野美術大学×高校生 classwork」が始まります。第1回目となる今回の訪問先は、トキワ松学園高校・漫画研究部です。訪問するムサビ生は油絵学科3年蔵本千夜さん、デザイン情報学科2年市森琴さん、デザイン情報学科2年児嶋恭子さんの3名です。3名とも漫画研究部所属です。高校生からムサビ生への素朴な疑問、ムサビ生から高校生へのイラスト・漫画講評を通して、ムサビという美術大学でイラストや漫画を描くことの意味や楽しさ、また、どんな学生たちがムサビに在学していいて、どんなことを学んでいるのかをレポートします。

ムサビ生

造形学部・油絵学科3年 蔵本千夜さん
造形学部・デザイン情報学科2年 市森琴さん
造形学部・デザイン情報学科2年 児嶋恭子さん 

 

高校生 トキワ松学園高等学校・漫画研究部

 

今月より「季刊エス」のWEBサイトにて、武蔵野美術大学の学生が、イラストや漫画を描く高校生を訪ねる不定期連載「武蔵野美術大学×高校生 classwork」が始まります。第1回目となる今回の訪問先は、トキワ松学園高校・漫画研究部です。訪問するムサビ生は造形学部の油絵学科3年蔵本千夜さん、デザイン情報学科2年市森琴さん、デザイン情報学科2年児嶋恭子さんの3名です。3名とも漫画研究部所属です。高校生からムサビ生への素朴な疑問、ムサビ生から高校生へのイラスト・漫画講評を通して、ムサビという美術大学でイラストや漫画を描くことの意味や楽しさ、また、どんな学生たちがムサビに在学していいて、どんなことを学んでいるのかをレポートします。
 

 




蔵本さんの作品

 

 

ムサビ生の挨拶

まずは、トキワ松学園高校・漫画研究部の生徒さんたちの前で、ムサビ生の3名が自己紹介も兼ねて、それぞれに挨拶をします。

蔵本 油絵学科3年の蔵本千夜です。「週刊少年ジャンプ」で担当がついて、デビューを目指して漫画を制作しています。今、連載用に準備している作品は、ロシアと日本のハーフで、マフィア家系出身の16歳の少年が主人公で、彼は漫画家として活躍しています。そして彼の高校の担任で、偶然にも彼の漫画の大ファンである新人教師がもうひとりの主人公です。ふたりは、あるきっかけで友達になります。お話としては漫画家とアシスタントの日常がマフィアの話につながっていくような感じです。今日はネームと設定とカラーイラストを持ってきました。どうぞ、よろしくお願いします。



 

蔵本 これは、昨年の冬コミに出したイラスト本の原稿です。今描いている漫画と同じ主人公で、部屋のクローゼットの中身はこんな感じかな、と思いながら描きました。武器はロシア製の銃がほとんどです。
 




蔵本 これは、もし連載が叶ったらメインになる予定の4人です。主人公の漫画家と、色々と事情のあるアシスタント3人です。大学の課題は、最近ずっと部屋に引きこもって漫画ばかり描いていたので、進級制作もいっそデジタルで描いた絵をキャンバスに印刷したいと思い、油絵の周りにプリンタで刷ったネームや設定、イラストを並べた作品をつくりました。
 

 

 

市森 デザイン情報学科2年の市森琴です。漫研には今年から入りました。このイラストは1年生の時に描いた12星座のキャラクターデザインで、もう1枚のイラストも今年描いた双子座ですね。男女の双子にしたかったのですが、めちゃめちゃ顔が似てしまいました……。

 

市森 個人で制作しているものは二次創作ばかりですが、大学では縦横3メートルもある、大きな油絵を描いたりもしています。デザイン情報学科なので、普段はゲームをつくったりコードを組んだりしていますが、油絵のようなファインっぽいこともたまにはします。

 


児嶋 デザイン情報学科2年の児嶋恭子です。実はこの3人のなかで唯一、トキワ松学園高校出身です。当時は演劇部でした。大学の授業では、Processing(プロセッシング)というプログラミング言語を使って絵を描いたり、ゲームをつくったりしています。プログラミング言語って、すごく数学ができそうに見えますが、実は全然できません(笑)。他には、Illustratorというソフトでグラフィックを描いたりポスターをつくったりしています。このイラストは、オレオちゃんです。うちの大学で展示しているものです。漫画は明日がサークルの締切なのに全然終わってなくてヤバいです(笑)。
 

Asagon。さん

PubiAさん

美大で漫画を描くということ


蔵本 このなかで美大に入りたいという人はいますか? (ほとんどの生徒が手を挙げる)おお…やる気に溢れていて良いと思います!

市森 私はゲームクリエイター志望なんですけど、最初は美大でなく、専門学校に入ろうと思って色々調べていたんですよ。ゲーム系だと、実践的なことをパッと教えてくれるのは、たぶん専門学校なので。美大は意外と回り道が多くて、自分がやりたいこと以外も色々なことをやらなきゃいけないんです。ただ、それが逆に人生経験として厚みにもなるので、美大か専門かというのはその人の選択次第かなと思います。

蔵本 美大を受ける時に、漫画を描きたい人は課題の多い学科かどうかは調べたほうがいいかもしれないです。油絵学科はそんなに課題が多くないので、意外と漫画を描いている人は多いですね。

市森 デザイン系の学科は、わんこ蕎麦かってくらいに課題がありますね……。でも、大学にいると締切を守ることが当たり前の生活になるので、締切を破っちゃおうという気持ちは1ミリも起きないんです。課題はあっても、漫画は絶対に締切に仕上げなきゃ、という強い意志が生まれます(笑)。あとは、デザイン系だと、課題でポスターをつくったりして、色味や構図をよく考えるので、それが漫画を描く時に活きているかもしれません。あとは、専門の授業でなく選択制の一般教養科目だと、精神分析学、哲学系が私は好きです。漫画のキャラクターづくりの勉強にもなります。

蔵本 私は、たまに大学にモデルさんが来るので、ヌードスケッチで身体がいっぱい描けるのは漫画を描く上でも役立っています。

児嶋 私は中高時代、スケジュール管理がド下手くそで、何回もミスをしては先生に呼び出されて怒られるような子でした(苦笑)。ですから大学に入って最初の頃は締切パニックになっていましたが、あまりに課題が多かったせいで今は驚くほどスケジュール管理ができるようになりました。課題もまだ1回も遅れたことはありません。大学でそういう力が身に着いたので、高校時代に仕上げた趣味の絵って1枚くらいしかなかったんですけど、今は何枚も仕上げられるようになりました。あとは市森さんと同じですが、デザインを学ぶので、構図や色の参考になるし、大学でやっている勉強は、全部趣味につなげようと思えば、いくらでもつなげられます!
 

市森さんのイラスト

児嶋さんのイラスト

高校生からムサビ生へのQ&A

ここからは、高校生がムサビ生に向けて質問を投げかけます。それぞれの疑問にムサビ生の3人はどんな回答をするのでしょう?

 

Q1 中島さんの質問 

漫画やイラストを描こうと思った理由を教えてください。

A1

蔵本 145歳の時に、高校の先輩をきっかけにアニメや漫画を知り、『バクマン』に出合ったことで、絵や漫画で食べられるようになろうと決意しました。そこから少年漫画家を目指しています。

市森 私は、幼稚園で毎週火曜に絵画教室があったんです。芸大出身の日本画の先生が、子供でも楽しめるような工作や絵を教えてくれて、それが楽しくて楽しくて仕方なくて。そこから、ずっと絵を描いていて、高校も美術系に行き今に至ります。

児嶋 私は中学の友達がみんな絵がうまかったことで、悔しいな、私もうまくなりたいなと思って、絵を描くようになりました。

 

Q2 實藤さんからの質問

漫画やイラストを描く上で気をつけていることを教えてください。

A2

蔵本 漫画の場合は、読者にキャラクターを覚えてもらわないと、漫画として成立しません。ですから、キャラクターのどんなところが特別で、どんなところに共感できるか、が大事だと思っています。絵でしたら、その絵から感情が伝わるかどうかを大事にしていますね。

市森 私はイラストばかり描いてきたんですけど、描き込まなきゃ、という気持ちがあって、ああ、ここが最高なんだよなと思って描き込んでいると、イラスト全体のレベルも上がる気がします。漫画も、「こういうキャラクターが好き!」というものがあったら、やり過ぎなくらい突き詰めたほうがいいと思っています。もちろん読者を置いてきぼりにしてはいけないけど、クズなキャラならしっかりクズにしないと、思ったより読む人には伝わらないので。

児嶋 自分が描く漫画は、性癖に素直に、ということを意識しています(笑)。二次創作ばかりしているので、自分の好きなキャラクターの好きなところは絶対に失わないよう、キャラ崩壊しないことを大前提としつつ、その中で好きなように描いています。そのほかは、四コマなら最後のコマでオチをつけるとか、普通にコマ割り漫画なら見せ場をはっきりわからせる、など漫画の基本として大事な部分も頑張るようにしています。

 

Q3 新居さんからの質問

人物を描くときにこだわるパーツはどこですか?

A3

蔵本 個人的にはパーツというより、全体のバランスです。バトルシーンなどを格好良く見せるにはバランスが大事ですね。骨を研究して、肉のつくりを大事にしたいと思っています。

市森 骨格は、もちろん気をつけていますが、完全にパーツだけで言ったら、舌です。気がついたら、めちゃくちゃ真面目に舌を描いています(笑)。でも全身を描くなら腰の角度が大事だと思っています。

児嶋 私は顔が好きで好きで生首だけ描いていたいんですけど(笑)、身体がないと顔も魅力的に映らないので、デッサンを頑張っています。

 

Q4 岡本さんからの質問

ひとつの漫画やイラストが完成するまで、どのくらいの時間がかかりますか?

A4

蔵本 ネームは気分によって仕上がる時間が変わります。今日、お見せしたものは、最初のバージョンは2週間くらいでできましたが、それを読切として出せるようになるまで、1年ぐらい修正しました。イラストだったら1枚で1日くらいです。

市森 私もネームは描けない時は描けません。でもネームが描ければ、仕上げはそんなにかからないです。34日で5ページくらいです。イラストは、並行して描いているので1週間で2枚くらいです。実質的な作業時間は4時間くらいだと思います。

児嶋 私は、イラストは頑張れば1日で1枚です。でも、そんなに量産はできません。漫画は今、描いているものは1週間くらい描いて1ページです。

 


 

Q5 鳥澤さんさんからの質問

絵を最後まで描けずに飽きちゃう時があるのですが、どうしたらいいですか?

A5

蔵本 適当でもいいから気合いで完成させてください。その1枚が終わらない限り、その次も同じところで挫折する可能性があります。なんとか自分に言い聞かせて頑張って完成させましょう。気分の問題だったら、コーヒーを飲んでみるとか。

市森 めちゃめちゃ私と同じだなと思いました(笑)。根性論だと、諦めないで机にかじりつくという話になるんですが、私の場合は逃げられない締切を自ら設定しちゃいます。例えばコミケに応募するとか。そうすると無理やりにでも終わります。

児嶋 私は深夜に集中力を発揮するタイプなので、日付を超えてから輝きだします(笑)。そして明け方に終わります。

 

 

Q6 高橋さんからの質問

私はずっと漫画家になりたいと思っています。今日描かなきゃ、今描かなきゃと焦って、自分が今何をすればいいかわからなくなるんです。どうしたらいいでしょう?

A6

蔵本 作品を1本でも完成させたことはありますか? 1本でもあれば、それを出版社に持ち込んで編集さんに見てもらいましょう。何をどう頑張り、どこを直せばいいのか教えてもらえます。まずは作品を仕上げて、自分が将来描きたい雑誌に電話してください。

市森 私は就職希望なので深みのあることは言えませんが、私も就職に焦って何をしたらいいかわからなくなったことはあります。でも、とにかく人に見せられる完成作品をつくることが大事だと思います。

児嶋 評価がもらえなくて焦る気持ちはよくわかります。私もムサビに入って周りがうまい人ばかりで、自分は全然できないんだ……と思うことが死ぬほどあったので。その度に落ち込んできたんですけど、自分をまず褒めてあげることが一番大事だと思います。私ならできる、私は大丈夫、自分を松岡修造だと思って頑張ってください!

 

Q7 上野さんからの質問

私は複数のことを同時するのが苦手で、今は二次創作しかしていません。大学でやっている課題と、漫画を描くことの両立の仕方を教えてください。

A7

蔵本 私は1ヶ月に1回くらい油絵学科の講評がありますが、何か1作品出せばいいので、あまり大変じゃないほうです。ほぼ毎日部屋にひきこもって、漫画を描いているので両立できているのか自分でも心配です(笑)。

市森 私も両立しているのかな? 課題に追われていると、急に好きな絵が描きたくなるじゃないですか。私の場合は、そう思ったら描いちゃうんです。課題に埋もれてると閃くんですよね、何かが。だから課題がつらくても、それが今後の自分のバネになるという気持ちでやるといいかな、と思います。

児嶋 私もまったく同じで、私たちのいるデザイン情報学科は課題がめちゃくちゃ多いんです。1年の時は週5で課題提出があって、みんな徹夜をしていました。ウェブサイトをつくりつつ、紙のポートフォリオをつくりつつ、タイポグラフィーの課題をやりつつ、グラフィックの課題をやりつつ……それを同時並行で進めていくという、嘘でしょ? みたいな状況(笑)。当時は本当に余裕がなかったんですけど、余裕がないなかで描いた好きな絵って、なぜか調子がいいんです。締切に追われている時ほど「好きな絵描きたい!」と思って描く手も速くなるし。だから課題に追われるのも悪いことばかりじゃありません。両立はできます、大丈夫です!

 

Q8 森岡さんからの質問

イラスト、漫画で好きな作家さんや参考にしている人はいますか?

A8

蔵本 小畑健先生が大好きです。

市森 ヤスダスズヒト先生が好きです。

児嶋 私はうまい人の絵を必死に見て、できる限り血肉にしようとしています。


 

作品講評会

いよいよ、ムサビ生が高校生たちの作品を見て講評コメントをしていきます。ここからは、イラストや漫画とともにコメントをご紹介します!

 

【中島さんの作品】


 

蔵本 すごくうまい! 光とカゲがちゃんと描かれているし、メカ感も凄いと思います。

市森 他の絵を見ると人物も人物以外もトータルで描けているので、いいと思います。背景も描いたりしますか?

中島 全然、背景が描けなくて。頑張って描こうと思った時期はあるんですけど、透視図法が全然理解できなくて……。まだチャレンジしてないです。

市森 透視図法は、できる人に聞くと意外とスルッとわかったりしますよ。絵はもともと描けているので、やればすぐかなと思います。

 

【和田さんの作品】


 

市森 これはキャラをいっぱい描こうという心意気がとてもいいです! 鎧などの装飾的なモチーフが多いのも、ちゃんと描こうという気概を感じます!

児嶋 わかります、いいです!

蔵本 欲を言えば、金属や鎧などの武器は、もう少しベタをつけたら金属感が出ると思います。黒を強くすると、対照的に金属の光の白が際立つので、カゲの色は灰色じゃなくて、もっと強めの黒や深い色を使って強調したらいいと思います。
 

 

【上野さんの作品】




蔵本 髪の毛の描き方がいいと思います。好きです。

上野 ありがとうございます。部活の前日の深夜に、ボカロの病んだ音楽聴きながら描きました。

蔵本 ああ、それで薬が(笑)。
 

 

【高橋さんの作品】


児嶋 可愛いですね~。設定は?

高橋 男装している女性です。

児嶋 え〜素敵~。

市森 これも、いっぱい描こうという気概が感じられていいです! こういう絵柄の方はすごく手が動くので、何を描いてもいい感じになるんじゃないかと思います。

 

漫画研究部・部誌/「Long」(左)と「Short」(中央)は今年度の作品

 

 


【岡本さんの作品】

出会い


 

児嶋 オムライスが食べたくなります……。

蔵本 うん、見ていてお腹がすきました(笑)。髪の毛の描写が丁寧でいいですね。白なのにちゃんとカゲがついているのがいい。

児嶋 トーンもちゃんと使っていていいですね。

市森 個人的に好きな作品ですが、最後のところだけ。ちょっと背景が不安そうなのが気になっちゃって。明るい描写だったら、キラキラのトーンを使ってハッピーな感じにしても良かったかもしれません。

蔵本 何もつけずに真っ白でもいいかな、と思いました。風が吹き抜ける感じで。部分的に白抜きにしたら、光が映っている感じになるんじゃないでしょうか。
 

 

 
【新居さんの作品】

笑えおさななじみ


 


児嶋 絵柄がめっちゃ可愛い! 好きです! ほっぺがプニョッとしているところが尊い…っ!

蔵本 ほっぺがお餅!

市森 可愛い。見ていて胸が苦しくなります…! ひとつ気になったのは、人によっては若干読みづらいと感じるかもしれないので、フキダシの置き方をもう少し考えると、さらに良くなるかもしれません。

蔵本 確かにセリフは多くても大丈夫ですけど、外側にあるフキダシは印刷の時に危ないので、なるべく内側に置くことに慣れたほうが、後々苦労しないと思います。

市森 あとはコマの面積に違いがないので、「ここが見せ場だぞ!」というところをドーンとつくるといいかもしれないです。おさななじみが笑ってくれるところは、もうめちゃくちゃページ取ったヤツが見たいです!

 

 

【實藤さんの作品】

ようこそ箱庭へ


 

児嶋 ちゃんと背景も描き込んでいて、いいですね。

蔵本 ゲームっぽいセリフの入れ方や、選択肢の出し方が、すごく面白いと思います。好きですね。

市森 手元の描写もいいですよね。ゲームのコントローラーをちゃんと描いているのが、個人的には非常に好感度が高いです。

蔵本 あとは、キャラクターの顔とか、物語の進行に必要なものだけでコマを埋めるんじゃなくて、足とか水がドロップしているとか、ある意味、関係のないコマがあるのもいいですね。

市森 読む側としては読み飛ばすコマだけど、ちゃんと見ていると気持ちいい。それに、引きと寄りでコマごとに変化があるので読みやすいです。

蔵本 コマを詰め過ぎていないのも読みやすさにつながっていると思います。

市森 個人的にはキャラクターの表情が豊かで可愛いと思います。笑顔にバリエーションがあるのがいいですね。

児嶋 顔の描き分けもできていて凄いと思います。私は村人Bが好きです。
 

 

【實藤さんの作品】

『いってきます』

 

市森 無茶苦茶シンプルなコメントいいですか? 私、こういう飼い主とペットものに弱くて、若干泣きそうになってる。涙腺が弱い……。

児嶋 私も……。

市森 「いってきます」を言えなかった、というテーマに対して、言葉少なな感じが作品の雰囲気に合っていて、いいと思います。

蔵本 冒頭の寂しい感がうまいです。簡単なセリフで、すごく寂しい雰囲気が出ている。

市森 寂しい時を経て描き込まれたコマ……グッときますね!

児嶋 涙腺が……。

蔵本 ちゃんと動物の感情を描けていますよね。凄いスキルだと思います。
 

 



【曽根原さんの作品】

ある日の1日

 

児嶋 ハムスターがすごく可愛いです。

市森 小動物の妄想、「おたねもち」になって、ヒマワリの種いっぱいの風呂に入ってやるぜ、って感じがすごく可愛くて、読者を惹きつけるんじゃないでしょうか。

蔵本 デフォルメが可愛いですね。

児嶋 愛らしいです。

蔵本 妙にUFOっぽい感じなのが個人的には好きです。謎感が可愛い。

児嶋 それに、この子の感情が伝わりにくい感じも逆にいいと思います。

市森 考えていることは色々あるけれど…という感じですよね。そこがコミカルですね。
 


というわけで、第1回目はムサビ生とトキワ松学園高校の生徒さんとの放課後の交流をお届けしました。
今後も、様々な高校生のもとへムサビ生が訪ねてゆきます。
これから美大進学を考える中高生はぜひ参考にしてみてくださいね。次回もお楽しみに!