【第0章】地球に降り立った愚者くん


むかしむかし。まだこの地球の人間世界に、動物の顔を持つ人びとも混在して住んでいた頃のお話です。
ある清々しくも美しい朝、一人の猫顔の男の子がこの地に降り立ちました。誰もいない山の崖の上で、神々しい太陽の光が、異世界とつながる玄関口となって、そこからポン! と飛び出てきたのです。彼は皆さんが言う「天の国」、別の次元からきた王子で、この星に転生してきたのです。彼が元いた世界では、誰もが思い浮かべるだけで願いは叶い、自由自在に姿を変えられ、言葉などなくても通じ合える、平和で愛に溢れた制限のない場所だったそうです。
私達からすると、なんと羨ましい! どうしてわざわざ地球に来たの? と思いますが、彼からすると「制限がある」ってどういうことだろう? 苦しみ? 悲しみ? 負の感情ってなに? それってどういうことか知りたい! と、その元の場所では味わうことのできない、この地球で味わえる体験を楽しみにきたというのです。

彼は今、この地に来る前の記憶は消去され、まっさらなスタート、地球というこの星での人生というゲームの入り口に立ったのでした。元の世界では、皆がいつもお気楽で、好奇心に溢れ、歌い、踊るように歩き、ファッションもカラフルで個性的、陽気な性格であることが普通でした。その名残りからか、彼はその調子で街中を歩きます。この世界に降り立ったばかりの彼は、赤ちゃんのようにピュアで、未来への希望に満ち溢れている反面、この星の人びとが理解に苦しむほど世間知らずで、計画性もなく、無鉄砲な行動をとる人物に思われていました。そのため、いつしか彼はFOOL(愚者)というあだ名で呼ばれるようになりました。FOOLは、あだ名をつけてもらえるなんて、仲良しの印だね! と喜びました。
さて、彼はこの世界をたーっくさん見て回り「勉強する」、
いえ、「楽しむ」ために旅に出ることにします。
途中で白い花を摘んで、その純粋な自然の美しい香りを楽しみながら、歩を進めます。
崖から落ちそう? そんなのなんのその。
FOOLは、元の世界からのお友達の赤い小鳥と、白い犬をお供につけています。今は、聖なる力を持つ白い犬のおかげでフワリと宙に浮き、そのまま上を向いて歩いていけます。登るのが大変そうな山も崖も、彼にとっては何もかもが新しく、美しいワクワクでしかありません。


0番・愚者/FOOL
このカードのキーワード

新しい始まり、ワクワクすることが見つかる暗示、旅の始まりを表します。
FOOLは誰に何を言われても気にしません。
彼のように、何はともあれ、未来に向かって大胆不敵に動き出そう!

絵と文|D[di:]
「この連載ページの”はみ出しスピ知識”のインスタアカウントを開設しました★のぞいて見てね!」
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